死霊むせび泣く声
 事件性は考えられなくて、単に自殺だと報道していた。


 俺は不吉な予感がしている。


「何か気味悪いわね」


「君もそう思った?」


「うん。自殺なんてあまりいいものじゃないし」


 里夏が頷き、缶コーヒーを全部飲んでしまう。


 そして吐息を一つ漏らし、


「気分転換に海でも見ようよ」


 と言った。


「ああ。憂さ晴らしにな」


 俺が頷き、雨降りの中、傘を差して歩き出す。


 普段から昼間は座りっぱなしなので、坐骨が痛かった。
 

 俺は栄養補給に、サプリメントを複数飲み合わせている。
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