死霊むせび泣く声
 俺がその水溜りをシャワーで洗い流し、綺麗に取ってしまうと、一安心して息をついた。


 ホッとしているのが現状だ。


 深呼吸して、頭の中を整理する。


 また忙しく日常が流れていくのを思いながら……。


 社の企画部にいる人間たちは大抵一日中パソコンのキーを叩いている。


 カツカツカツというキータッチ音ばかりがフロアに鳴っていて、淡々と毎日が過ぎ去っていく。


 午前九時に出勤したら、残業があっても午後七時ぐらいまでだ。


 俺は正直なところ退屈していた。


 社ではまた夏向けの商品の企画を作ってくれと言われ続けている。


 上の人間たちは頭が固いのだ。


 俺たち平の人間の方が返って新商品のラインナップに関しては詳しかった。


 相変わらずキーを叩き続けているので、腱鞘炎になりそうだ。

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