死霊むせび泣く声
始めた。


 企画書を打つのが俺の仕事だから、一日中パソコンの前だ。


 確かに疲れを覚えることはある。


 きついので、お昼を食べ終えると近くにあるソファーに座り、ゆっくりしていた。


 夏場なので、フロアにクーラーが利くと、冷房病になってしまう。


 ただ、社が冷暖房を管理しているので、俺がいくら言ったところで始まらない。


 長袖のワイシャツに、上下ともスーツで決めている俺は冷たい風が吹き続けているフロアで、疲労を感じるのだった。


 昼は決まって牛丼か定食だ。


 俺ぐらいの年齢で、社の下っ端だと、豪勢なランチを食べる余裕などない。


 安く済むものでお昼を終えている。


 その分、夜は飲みにいくことも多い。


 六十代後半ぐらいになる社長の松岡は、先代社長から振舞われた通り、俺たちに夕食を奢(おご)ってくれる。
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