死霊むせび泣く声
第2章
2
「和義」
「何?」
「何か、さっきからむせび声が聞こえてるんだけど」
「むせび声?」
「ええ。……ちょうど、このマンションのトイレのところ辺りから聞こえてて」
「聞き間違いじゃないの?」
「いや。あたし、こういうの絶対聞き逃さないのよ」
里夏がそう言って、ベッドから起き上がり、トイレへと向かう。
何せ1Kの狭い部屋だ。
一応トイレと風呂場は別になっていたのだが、家賃が安く、建築時の設計なども大雑把だと思われた。
俺はベッドの方から里夏を見つめる。
夏用の黄色いワンピースを着て、茶色に染めていた髪をストレートで流しっぱなしにし
「和義」
「何?」
「何か、さっきからむせび声が聞こえてるんだけど」
「むせび声?」
「ええ。……ちょうど、このマンションのトイレのところ辺りから聞こえてて」
「聞き間違いじゃないの?」
「いや。あたし、こういうの絶対聞き逃さないのよ」
里夏がそう言って、ベッドから起き上がり、トイレへと向かう。
何せ1Kの狭い部屋だ。
一応トイレと風呂場は別になっていたのだが、家賃が安く、建築時の設計なども大雑把だと思われた。
俺はベッドの方から里夏を見つめる。
夏用の黄色いワンピースを着て、茶色に染めていた髪をストレートで流しっぱなしにし