死霊むせび泣く声
 電車が目的の駅まで着いたので、俺は通勤ラッシュから解放され、駅から社まで歩いていった。


 午前九時の始業時間まで、十分余裕がある。


 俺は街のあちこちを見て回っていた。


 特に目立った変化は何もない。


 単に夏場で通りを歩く皆が薄着しているということだけで。


 俺は社に辿り着き、エントランスから企画部のフロアへ入っていくと、上司や同僚に挨拶し、パソコンを立ち上げた。


 メールボックスを開き、必要なメールには目を通し、返信すべきものには返信する。


 そして業務に追われ始めた。
 

 今日も俺の仕事は企画書を打つことだ。


 淡々とワードの画面を埋めていく。


 時間の許す限り、書類を作り続けるのだ。


 カツカツカツというキータッチ音と共に、企画書が出来上がる。
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