死霊むせび泣く声
第14章
14
自宅マンションに帰り着くと、突如線香臭い煙がプーンと漂ってきた。
誰もいないはずの部屋で一瞬香った煙のにおいは次の瞬間消える。
だが俺は訝しげに思い、
「誰かいるのか?」
と問う。
何も聞こえてこないし、室内はシーンと静まり返っていた。
「誰だ?」
激昂した俺が暗闇の中で目を凝らすと、鎧兜姿ではなく、ダンダラ模様の服を着せられ、縛り付けられた男が二人いる。
髷(まげ)は切り落とされ、髪の毛が乱れていた。
“こいつらがあの婆さんの言った今村と綾田の霊なのか……?”
俺はそう思いながらも、霊と向き合う。
「お前ら、何しに来たんだ?」
自宅マンションに帰り着くと、突如線香臭い煙がプーンと漂ってきた。
誰もいないはずの部屋で一瞬香った煙のにおいは次の瞬間消える。
だが俺は訝しげに思い、
「誰かいるのか?」
と問う。
何も聞こえてこないし、室内はシーンと静まり返っていた。
「誰だ?」
激昂した俺が暗闇の中で目を凝らすと、鎧兜姿ではなく、ダンダラ模様の服を着せられ、縛り付けられた男が二人いる。
髷(まげ)は切り落とされ、髪の毛が乱れていた。
“こいつらがあの婆さんの言った今村と綾田の霊なのか……?”
俺はそう思いながらも、霊と向き合う。
「お前ら、何しに来たんだ?」