引っ込み思案な恋心。-1st





数秒かけて今聞こえてきた瀬川くんの言葉の意味を理解した瞬間。






「ゴホッ!ゴホッ!!」



「杉田?マジで気分悪い?おい、多田!エアコン3度上げて!!」






思いっ切りむせた私を心配し始めた瀬川くんは、私の背中をさすりながら、エアコンのリモコンの近くに座っていたあゆにエアコンの温度を上げるように大声で指示した。






「ちょっと柚!大丈夫?」





テーブルを挟んで向かいに座っていたあゆは、私を心配そうに見ながらエアコンのリモコンのボタンを3回押した。





ピッ、ピッ、ピッと3回電子音が聞こえて、その瞬間エアコンから出る風に勢いがなくなった。





「う、うん。ゴホッ!大丈夫………」





まだちょっとむせてるけど、ようやく話せるようになった私は、あゆにそう答えた。





「ほら、柚の麦茶、こっちにあったよー。これ、もう一回飲んで」





その様子を見ていたあかねちゃんが、私の分の麦茶のグラスを私の前に差し出してくれた。







あ………、そっか。



瀬川くんの前にあかねちゃんを教えてたから、あかねちゃんの所にグラス置きっぱなしだったんだ……。





…って、今更気付いてどうするんだろ、私……。







あかねちゃんに差し出された麦茶をもう一回飲んで心を落ち着けた私は、瀬川くんの方に身体を向き直した。





「ご、ごめん。もう大丈夫だから。えーっと、何問目だっけ?」










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