引っ込み思案な恋心。-1st





だって、認めた途端に失恋するなんて、こんな悲しいことないよ。










「でもまだ1か月も夏休みがあるんだよー?ねー柚、映美佳も誘ってどっか行こーよ」



「え…?うん…」



「絶対だよ〜?映美佳に連絡しといてよ?」



「うん…」










瀬川くんのことが好き…。





いや、認めたら失恋しちゃう。





だけど、あの走ってる姿、忘れられない。





私にいつも挨拶してくれる笑顔。





『杉田と話してみたい』と言ってくれた。





その度に、私は―――












認めたくなかったけど、これほどまでに大きくなるまでこの気持ちに気付かなかった。





失恋するって分かってるのに。












上の空であかねちゃんの話を聞いて、適当に頷いていたら、いつの間にかあかねちゃんと映美佳と3人で遊ぶことが決まってたんだけど、私はそれどころじゃなくてとぼとぼ歩きながら瀬川くんに対する気持ちと真剣に向き合っていた。











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