引っ込み思案な恋心。-1st
―――――
――
「はよーっす、杉田!」
入学式から半月。
なぜか私に話しかけてくる人は……、隣の席の瀬川くんしかいない。
「お、おはよ……」
いつも通り、瀬川くんはテンションが高い。
私は毎度その元気に圧倒されながら小声で挨拶をする。
入学式の日に一言返し&オウム返しを繰り返してしまい、完全に瀬川くんをがっかりさせたと思っていたんだけど……
瀬川くんは翌日以降も、何もなかったかのようにハイテンションで私に話しかけてくる。
けれど私は相変わらず、このクラスに慣れずにいた。
女子の仲良しグループは、完全に固定されてしまったみたい。
今年も見事にどこのグループにも所属できなかった私は、静かに本を読みながら休み時間をやり過ごすしかなかった。