引っ込み思案な恋心。-1st
びっくりして、変な大声を出してしまった。
自分の発した声なのに驚いて、思わず両手で自分の口を隠した。
そんな私の反応を見て、映美佳の顔が少し後ろに下がった。
「…そっかそっか。なるほどね。あ、何も言わなくていいよ。もう分かったから」
「え!?いや、違う…いや、違わない???」
映美佳に必死に弁明しようと思うんだけど、自分でも何を言ってるのか分からない状態。
けど、映美佳はそんな私に冷静に対応していた。
「もういいよって。後で話聞くから」
「え?あ…うん」
まだ頭の中がパニック状態なんだけど、トイレを済ませたあかねちゃんが帰ってきた。
「ごっめーん、お待たせぇ!これからどーする?ちょっと外出ようか?」
あかねちゃんはトイレを挟んでもハイテンションを保っていて、いつの間にやら気持ちを切り替えていた映美佳は、満面の笑みで「うんうん」と頷いていた。
私達は喫茶店を出て、M小に向かった。
幸いにもM小の校門が開いていて、私達はグラウンドの端っこを歩きながら少年野球の練習を見物した。
そのままグラウンドの隅にある遊具にたどり着いた。