引っ込み思案な恋心。-1st
04☆それぞれの体育祭
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「よお、杉田!よろしくな」
え、ええ…!?
また瀬川くんと隣の席……?
夏休みが終わって、新学期が始まった。
月が変わったということで、席替えが行われたんだけど……
窓際から2列目の、前から3番目の席。
そこまで自分の机を持っていくと、すでに私の隣の、一番窓側の席に着いていたのは満面の笑みの瀬川くんだった。
「せ、瀬川くんが…、そこの席?」
「おう。どした?何かあるのか?」
「ううん。そうじゃないけど……」
瀬川くんは不審そうな顔で私を見てきたけど、私の心は喜びと緊張でドキドキしまくっていた。
「杉田の隣とは、マジでラッキーだな♪ちょっと宿題忘れても何とかなりそうだし」
「それは私が許さないから」
いきなり瀬川くんの前の席から顔をクルリと向けたのは、ななっぺだった。
「げっ!細井いたのかよ!?」
「『げっ!』じゃないわよ。そんなこと言いながら、宿題平気でやってこないつもりでしょ?柚もちゃんと言いなよ?」
「う、うん…」
あゆほどの迫力はないけど、冷静な調子で瀬川くんに言うななっぺもなかなか怖い。
けど、ななっぺも近くの席なのか。
ちょっと安心できるかも。