引っ込み思案な恋心。-1st
「まぁ玉入れはいいとして、問題は障害物競争だよねぇー」
帰り道。
一緒に帰っていたあかねちゃんの言葉を聞いて、私は軽くため息をついた。
「私、足が遅いのに個人種目なんて……どうしよう」
「そんなに嫌なら、団体種目で手ぇ挙げておけば良かったのに」
「だって、みんなすごい勢いだったし、人数オーバーでジャンケンしてた種目もあったでしょ?」
「それでも喰らい付く!!みんなも目立つ個人種目は嫌だって思ってんだから団体種目で必死になるのは当たり前だよ〜」
そんなあかねちゃんの出場種目は、徒競争と長縄跳び。
「でもさー、長縄なら私もいるし、気も楽だったでしょー?何で長縄にしなかったの?」
「うん…、最初に取られちゃったから……」
私がそう言うと、あかねちゃんは分かりやすくガクッと頭を落とした。
「あのねー、柚……」
「ううん!まだ理由あるの!」
あかねちゃんの言いたいことはだいたい予想がつくんだけど、私はあかねちゃんの言葉を切って続けた。