引っ込み思案な恋心。-1st





「おい、拓!今日お前ん家遊びに行っていい?」





瀬川くんが席に着いたと同時に、瀬川くんが普段よく話している男子数人が瀬川くんの周りを取り囲んだ。





「おー、俺新しいゲーム買ってもらったから、みんなでしよーぜ」



「マジで!?よっしゃー!」



「俺、ぜってー負けねー」



「いや、俺が勝つ!!」






瀬川くんと仲のいい男子も、やっぱりテンションが高い。





男子達が大盛り上がりしている中、隣の席に座ったままの私は読みかけの本を開いた。





しおりを取って続きを読もうと思ったら、急に横から瀬川くんの声が聞こえた。





「杉田、それ何読んでんの?」



「え…?」





声のした方を向くと、瀬川くんを始めとする男子の集団が私の顔を見つめている。





こんな一気に注目を浴びることはあまりなかったから、私の緊張は一気に高まった。





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