引っ込み思案な恋心。-1st

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「まずマットの上で前転して、ネットをくぐり、ハードルを跳んで、次のハードルはくぐり、最後は平均台を走って渡ってゴール……かぁ〜」






それから3日後、放課後の体育祭の練習が始まった。





これから体育祭までは部活も休みになる。





それだけみんな、体育祭に賭けてるってことなんだろうけど……











長縄の練習直後のあかねちゃんは、息を切らせながら障害物競争のコースを軽く確認した。





「ごめんね、付き合わせちゃって」





私はまだ「ハァハァ」と息が大きいあかねちゃんに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。





すると、あかねちゃんは私をにらむように見てきた。





「も〜!そんなこと言わないの!!どーせなら一つでも良い順位取ってやろーじゃないの!」





あかねちゃんはそう言って、ニヤリと笑った。





私は少し驚いたけど、「うん」と頷き返した。







確かに、足の遅い私なんかに誰も期待してはいないと思う。





それでもそんな私のために協力してくれるあかねちゃんに、今度は感謝の気持ちが沸いてきた。





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