引っ込み思案な恋心。-1st
「んん?確かに小学校一緒だったけど、同じクラスになったことなかったからね、私もあまり知らないんだよね」
「へー。近付きにくい子だよね。『誰も近寄らないで』オーラ出てる感じー」
「あはは。そーかもー」
「ずっと一人でいる気なのかなぁ?」
「えー、さみしー!」
あはは……と、馬場さん達4人の笑い声が聞こえた。
その笑い声が遠くなったことを確認して、私は個室のドアを開けた。
私…、そんな風に思われてたんだ……。
誰もいなくなったトイレで、私は手洗い場の鏡を見つめた。
泣きそう……
ホントは、私だってクラスに友達欲しい…
けど、話しかけて変な顔されたら?
仲間に入れてくれなかったら?
それを考えただけで、私はまたためらってしまう。
そんな反応されるくらいなら、一人でいた方がマシ。
私は鏡に映った自分の顔を睨みつけて、ポニーテールを結び直し、再び教室に向かった。
――
―――――