引っ込み思案な恋心。-1st
「おっ、柚じゃん。近いねぇ〜。よろしくー」
「あ、あかねちゃん」
席に座ると、斜め後ろからあかねちゃんが声をかけてくれた。
…良かった。
あかねちゃんが近くにいた。
あかねちゃんに「よろしく」と言ったついでに、廊下側の一番後ろだと言った瀬川くんの席の方をチラリと見た。
すると、ななっぺと瀬川くんが楽しそうに話しているところが見えた。
…あれ?
なんだろう、この胸のモヤモヤみたいなもの…。
ななっぺと瀬川くんが話しているところなんて、今までもたくさん見てきたはずなのに。
瀬川くんは他の女子と話すことだって多々ある。
それでも……、どうしてななっぺと話している時だけ…?
何だか、胸がズキズキいってる。
嫌な予感……
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