引っ込み思案な恋心。-1st

―――――
――








「柚ーー、あっ、あかねちゃんもいた♪」





放課後になってカバンに教科書を詰め込んでいたら、映美佳がうちの教室に入ってきた。





「あ、映美佳だぁ。久しぶりだね〜!」





カバンを持って席を立ち上がったあかねちゃんも映美佳に気付いて、映美佳のいる私の席にやってきた。





「柚と一緒に帰ろうと思ってさ。あかねちゃんもどう?」



「いいねぇ〜。柚、一緒に帰っていー?」



「うん、もちろん」





私もあかねちゃんに笑顔で答えていると、その横を瀬川くんが通り過ぎた。





「おう、杉田。またなー」



「うん、また明日」





席が離れても、毎日の挨拶をかかさない瀬川くんに少しホッとした。






けど。





「あっ瀬川、また体操服忘れてない!?」





後ろの方からななっぺの大きな声が聞こえてきた。






ズキ……






まただ。





何で私、ななっぺと瀬川くんが話すところを聞くと、こんなに胸が痛みだすんだろう…?











「………ふ〜〜ん?なるほどねぇ」



「え?映美佳、どーしたの?」



「ん?ああ、何でもないよ?」





映美佳が何か悟ったような感じだったけど、あかねちゃんの問いに何故か上手くごまかしていた。





「まあ帰ろう、柚」



「う、うん……」





映美佳に促されて、私は映美佳とあかねちゃんと教室を出た。










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