引っ込み思案な恋心。-1st
映美佳とあかねちゃんと、いつもの通学路を通って帰った。
私は、映美佳とあかねちゃんが楽しそうに話しているのを何となく聞きながら、今日のななっぺと瀬川くんのことを思い返していた。
…私、何だかおかしい。
何でななっぺと瀬川くんが話しているのを見ただけで、こんなにモヤモヤが溢れ出てくるんだろう?
だって、ななっぺは私の友達なんだよ?
今までだって、私と仲良くなる前からだって、ななっぺはずっと瀬川くんと対等に話していたし、私はそれを自然な光景として見ていた。
なのに、何で……?
「じゃー、私こっちだから!柚、また明日ねぇ〜♪」
あかねちゃんがいつもの笑顔で私に手を振って、自分の家の方向に帰っていった。
「あっ、うん。またねー」
あれ?
いつの間にこんな所まで歩いてきてたんだろう?
しかも、映美佳とあかねちゃんの話、あんまり耳に入ってなかった。
ヤバイ。
また映美佳に知られたら怒られるかも……。
とか思っていたら。
「柚!!ここまで帰ってくるまでずーーっとボーッとしてたでしょ!?」
や、やっぱり、、、怒られた。。。
「ご、ごめん映美佳。でも全然聞いてなかったわけじゃないんだよ…?」
「………まあいいけど。私もさ、柚にちょっと聞きたい事があったの」
「え?私に…?」