引っ込み思案な恋心。-1st
私は改めて映美佳から差し出されたハンカチをゆっくりと受け取った。
そして、目からあふれ出る涙をそっと拭いた。
「…映美佳、ありがとう」
「ううん。もし柚を傷つけたなら、本当にごめんね。でも私は、柚とは自分が思ったことを言い合えるような友達でいたいと思ってるから」
「…私もそうだよ。…私、もしかしたら薄々気付いてたかもしれない。けど、自分の気持ちに向かい合うのが怖かったから…。映美佳がいなかったら、きっと、ずっと逃げてたよ」
「そう言ってくれて良かったよ。あのさ、どんなことがあっても、私はずっと柚の友達だから。味方するから。何でも相談して?」
映美佳……
私、映美佳と友達で、本当に良かったよ。
心から、そう思う。
そうだね。
本当にななっぺと友達なら、ちゃんとななっぺとも向き合わないと。
映美佳は、人付き合いが苦手な私に、またたくさんのことを教えてくれたよ……。
――
―――――