引っ込み思案な恋心。-1st





「この前の期末テスト、マジで最悪だったんだよ。だから、ゲームの件、取り消しとか言われちまって…。最近ずっと勉強会やってないだろ?やっぱそのせいかなって…」






瀬川くん、いつも成績最悪とか言ってるからどれくらいの最悪度か分からないんだけど……。





瀬川くんの親がゲーム買わないとか言ってるくらいだから、よっぽど成績落ちたのかな…?






だけど、勉強会のこと、覚えてくれてたんだ…?








勉強会は、夏休み以来行われていなかった。





何となく、誰も言い出さなかったからやらなかっただけだけど、今のこの状態じゃあ再開できるのかさえ怪しかった。








「…瀬川くんは、また勉強会をやりたいって思ってるの…?」





ななっぺに聞こえてるかもしれない。





けど、私は勇気を振り絞って瀬川くんと会話することにした。






「………ああ。あの時、すげー楽しかったよな。もちろん、今できないのは分かってる。けど、あの頃に戻れたらいいよな…って、そんな昔でもねぇけど」



「…うん。分かるよ、その気持ち。勉強は確かに一人でするよりみんなでやった方が楽しいし、頭に入りやすいもんね」



「…なあ、もしかして杉田達が分裂したのって……俺のせい?」






…え?



もしかして瀬川くん、自分に責任感じてる!?






「…なんで……?」



「だって、あの時からだろ?杉田達が二人ずつに分かれて行動してるの。俺と杉田が細井の会話盗み聞きしてたから、杉田にトバッチリ来たのかと思ってたんだけど……」






や、やばいよ……。



これ、絶対ななっぺに聞こえてる…!!





…どう返したらいいんだろう?





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