引っ込み思案な恋心。-1st
「………」
私が黙っていると、瀬川くんは「なあなあ」と迫ってきた。
何で私なんかに構うの!?
キュッと唇を噛み、下を向き続けていると、瀬川くんの右隣から声が聞こえた。
「おい、拓!お前何位だった?」
「え?俺?」
その言葉に反応して、瀬川くんはくるりと反対方向を向いた。
はあ、良かった……。
瀬川くんは集まってきた友達と成績の見せ合いを始めたようだった。
もうすぐ1か月経つし、席替えがやってくる。
そこでやたら私に構ってくる瀬川くんとは離れられる。
それまでの我慢。
私はそう、思っていた。
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