引っ込み思案な恋心。-1st
「それに、瀬川、あの勉強会をホントに楽しみにしてたんだなって。私と柚と、あゆとあかねちゃん…それに倉本。みんなとの友情、ホントに大事にしてたんだなって、改めて知った」
それは、私も感じていた。
みんな好き勝手に色々言い合えるのも、一緒に勉強してテストを闘ったからなんだって、それを瀬川くんはいち早く気付いていたんだ……。
「あの勉強会さぁ、私が取り止めたようなもんなんだ」
「えっ!?」
ななっぺが勉強会を取り止めた…って、どういうこと!?
「2学期の中間テストも期末テストも、私あゆに『自分一人で勉強するから』って伝えてさ。だから自然と勉強会って流れにならなかったわけ」
「何でそんなこと……?」
ななっぺも勉強会で得たものがたくさんあったはず。
なのに、何で一人で勉強するなんて……
「柚さ、好きな人、いるでしょ?」
「え?私??」
いきなり会話の内容がそれたような気がした。
でも、別にそらしたわけではない。
その時それに気付かなかった私は、少し動揺した。