引っ込み思案な恋心。-1st





「それに、瀬川、あの勉強会をホントに楽しみにしてたんだなって。私と柚と、あゆとあかねちゃん…それに倉本。みんなとの友情、ホントに大事にしてたんだなって、改めて知った」






それは、私も感じていた。





みんな好き勝手に色々言い合えるのも、一緒に勉強してテストを闘ったからなんだって、それを瀬川くんはいち早く気付いていたんだ……。






「あの勉強会さぁ、私が取り止めたようなもんなんだ」



「えっ!?」





ななっぺが勉強会を取り止めた…って、どういうこと!?





「2学期の中間テストも期末テストも、私あゆに『自分一人で勉強するから』って伝えてさ。だから自然と勉強会って流れにならなかったわけ」



「何でそんなこと……?」





ななっぺも勉強会で得たものがたくさんあったはず。





なのに、何で一人で勉強するなんて……








「柚さ、好きな人、いるでしょ?」



「え?私??」





いきなり会話の内容がそれたような気がした。





でも、別にそらしたわけではない。





その時それに気付かなかった私は、少し動揺した。





< 204 / 243 >

この作品をシェア

pagetop