引っ込み思案な恋心。-1st





「え、えっと……」



「今日はぶっちゃけトークだよ、柚!私、たぶん今から柚をめちゃくちゃ傷つけること言うと思う。だから、柚も私傷つけていいから。お互い言うこと言って、すっきりしよ?」







そうだ。



私はななっぺの気持ちが知りたくて、今ここにいるんだ。





キツイこと言われるのだって覚悟していたはず。






だから、私も………





言わなきゃ。










「うん。…私、瀬川くんのことが好き……」






すると、ムッとするかと思っていたななっぺは、静かに笑った。





「…だろうと思った。私、かなり前から気付いてたよ?同じ人を見てるって、何か分かっちゃうよね。…だからでしょ?柚が少しずつ私を避けてたのって」



「…うそ?分かってたの?」





確かに、こうなる前に私は自然にななっぺを避け始めていた。





ななっぺが瀬川くんと仲良くなるのと比例するように……。






「私も柚を避けてた時、あったからね。ほら、体育祭の前、私、イライラしてたでしょ?あれ、倉本が足合わせないからイラついてたわけじゃない。隣同士の席に座る瀬川と柚がうらやましかった」




「え…?」






私あの時、本当にななっぺが倉本くんにイラついてたんだと思ってた。





けど…それはカモフラージュだったんだ……。





でも、あかねちゃんと私にそれを指摘されてからは、いつも通りのななっぺに戻っていた。





今から思うと、その『いつも通り』を演じることが、ななっぺにとってはどれだけ大変なことだったんだろう…?





だって、私なんて結局、ななっぺを避けたままだったから……。





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