引っ込み思案な恋心。-1st
もうすっかり暗くなった教室をななっぺと一緒に出て、枯葉すらもなくなった木々が並んだ道を通り抜け、校門のところでななっぺと笑顔で手を振って別れた。
…ななっぺの、本当の気持ちが聞けて良かった。
私も、瀬川くんが好きだとななっぺに直接伝えることができた。
ななっぺの葛藤が、嫌になりそうなくらいリアルに伝わってきた。
こんなこと、私本人に言えないと思う。
けど、全部吐き出してくれた。
確かに私達は、互いに避け合っていた時期があるのかもしれない。
だけど、正直な気持ちを伝え合うってとても大事なことなんだね。
ちゃんと話し合えば、わだかまりも簡単に溶けていく。
陽もすっかり暮れて、北風が吹き抜ける通学路。
いつもだったら寒くてつい早足になってしまうけど、やっとななっぺと分かりあえた嬉しさに浸っていたくて、私は薄暗い道をゆっくりと踏みしめながら歩いた。
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