引っ込み思案な恋心。-1st
「友達だからこそ、敢えてってことで。拓よりさ、俺とか、俺とか、俺とか……いるじゃねーか」
「うわぁ……最悪」
「…つーか、倉本、ななっぺと付き合いたかったんだぁー……」
倉本くんの言葉にあゆとあかねちゃんが嫌悪感を感じる中、ななっぺは笑顔で倉本くんの方を見た。
「…ななっぺ?」
私がななっぺに声をかけると、ななっぺは倉本くんの方を向いたまま、ゆっくり頷いた。
「もし世界に倉本しかいなくなっても、私ぜーーーったい倉本のことなんて選ばないと思う♪」
ななっぺ……!
ぎ…っ、逆に笑顔が怖いんだけどーー!!
「いいから勉強進めようぜー。冬休みは短いからな、余裕ぶっこけないよなー」
瀬川くんがそう言って、顔を私の方に向けてきた。
そして、私に手招きを始めた。
「…え?私?」
「ああ、杉田、ちょっと来てくんない?分かんない問題あるんだけど…」
「あ、うん」