引っ込み思案な恋心。-1st
なんか、ドキドキする。
こんな風に瀬川くんと近付いて話すの、かなり久しいと思うから。
「ここの問題。教科書探しても分かんなかったんだけど」
「あ…うん。応用問題だから、公式2つ使わないと解けないと思う……」
「えっ、どことどこ???」
ドキッ!!
ヤバイ…。
瀬川くんの手が少しだけど触れてきて、私の緊張は最高潮になってしまった。
「ええっと……教科書で言うと……」
何ページと何ページに書いてあったっけ…?
ああ、また教科書をめくる手が震えそう。
緊張が、止まらない。
このドキドキ、本当に瀬川くんに聞こえてないよね?
こんな近くにいたら、聞こえててもおかしくないよ…。
「あっ」
ここだ。
このページに確か、一つ目の公式が……。
何か、緊張し過ぎて気が遠くなりそう。
……あれ?
なんか、本当に意識が…………
――
―――――