引っ込み思案な恋心。-1st
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「あ、やっと目ぇ覚ました。おい杉田!大丈夫か!?」
「え?瀬川くん…?」
あれ?
私、いつの間に横になって……?
…というか、瀬川くん以外のみんなはどこに行ったの?
「てかさ、杉田教科書持ったまま急に倒れるもんなー。マジでビックリしたんだけど……」
「う、うそ…?ごめん!!」
「おい、急に起き上がって大丈夫か?」
つけていた腕時計で時刻を確認すると、もう夕方の6時半。
確か、勉強会を始めたのが昼の2時くらいだったから……
私、そんな長い間倒れてたの!?
「もうこんな時間!?どうしよう…?」
「とりあえず落ち着けって。あったかいお茶でも飲めよ」
瀬川くんは動揺する私とは対照的に、心配そうな表情をしながらテーブルにお茶の入った湯のみを置いた。
湯のみから、白い湯気が薄く上がる。
「他のヤツらも心配してたぞ?さすがにもう帰ってもらったけど」
「ごめん。私……、みんなに教えてる途中だったのに……」
「大丈夫だって。まあ確かに杉田が倒れてるから手こずったけど、みんなで協力して問題解いていったから」
ああ……
何で私って、いっつもこうなんだろう?
夏休みの勉強会の時も色々失敗したし、何か全然成長しない。
瀬川くんに対するドキドキに、いつまで経っても慣れない……。