引っ込み思案な恋心。-1st
「別に杉田が困ってるって言ってねーじゃん」
「あのさあ、杉田さん一人だからって同情して話しかけるのもどうかと思うよ?」
そんな細井さんの声が耳に入った途端、私の胸がズキンと痛んだ。
…そうなの?
私がいつも一人だから、かわいそうだから話しかけてきてるだけなの?
そっと、瀬川くんの方に顔を向けた。
瀬川くんはなぜだか、傷ついたような表情をしていた。
「………」
急に何も話さなくなった瀬川くんに、周りの男子達が「どうした?」と尋ねてくる。
「やっぱりそうじゃん!それこそ杉田さんかわいそうじゃん」
黙り込んだ瀬川くんに、多田さんが追い打ちをかける。
「……うるさい」
瀬川くんはただ小さい声で言い返すことしかできなかった。