引っ込み思案な恋心。-1st
「あっ!」
思わず声が出てしまった。
すると、先生の動きが止まって、私の顔を見てきた。
「…どうした?何か相談したい事でもあるか?」
心配顔になった先生が、もう一度席に座ろうとする。
しまった……。
でも、気になるし……。
下を向いて唇を噛みしめると、先生がもう一度私に向かって聞いてきた。
「何でも言っていいんだぞ?秘密にしたい事なら内緒にしとくから」
どうしよう?
言い出すべき?
でも、ここまで引き留めたなら、言うしかないよね。
逆に、いじめられている、とか不審に思われるかもしれないし。
「あの……」
私は意を決して顔を上げ、先生を見つめた。
宇野先生は「ん?」と、軽く首をかしげた。