引っ込み思案な恋心。-1st

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「女子ってマジで分かんねぇよな〜」






あれから1か月。



衣替えで黒のセーラー服が、白の薄手のセーラーに変わった。





つい先日梅雨入りしたらしいけど、今日は太陽が顔をのぞかせている。





「そりゃあ、瀬川なんかに分かるわけないじゃん」





6月に入って席替えが行われ、私は廊下側の前から2番目の席になった。





瀬川くんは後ろの方の席で、やっと席が離れたんだけど……。





今…、席に座っている私の目の前で、瀬川くんとあゆが話をしていた。





「あの1日で、意外な組み合わせの4人組になってるなんて、俺の周りのやつらもマジでびっくりしてたし」



「意外とは失礼ね!なるべくしてなった4人組なのよ」



「なるべくして……ねぇ。女子って謎だよな〜」



「あ、あゆ。今日の放課後はみんな集まれそうだっけ?」





ようやくあゆ達のあだ名を呼ぶことに慣れ始めた私は、あゆと瀬川くんの会話に割って入った。






…これも最初は勇気がいったけど、私が話し掛けると、あゆ達はいつもニコニコ私に笑いかけてくれるから、だいぶ安心できるようになってきたんだよね。





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