引っ込み思案な恋心。-1st





「うん、もちろん♪みんなテストでいい点取りたいもん。柚サマ、期待してます♪」



「大したことはできないかもしれないけど……。でも、場所はどうするの?」






実は、もうすぐ期末テスト。






あゆ達と仲良くなった途端、私が勉強できるということがあっという間にあゆ達に知れ渡ってしまい、それならテスト勉強を一緒にしようという話になっていた。






「あ、お前らテスト勉強する気だろ!?抜け駆けすんなよ!」





私達の会話を聞いた瀬川くんは、ちょっと焦った顔になった。





「何言ってんのよ?もう1週間前じゃん。抜け駆けも何もないわよ」



「は?まだ1週間だろ?早過ぎじゃね?」



「じゃあ何のために部活が休みになるのよ?勉強しろってことでしょ?」



「今から暗記モノ覚えても、テストになったら忘れるじゃねーか!」





まあまあ……と、私はまた始まったあゆと瀬川くんのやり取りを止めようとするんだけど、二人は全然聞いてないようだった。





「テストは暗記だけじゃないでしょ?それにあんた、どんだけ記憶力悪いのよ!?」



「うっせー!!どーせ俺はバカでアホだっての!」



「何もそこまで言ってないでしょー?」






激しい口げんか……。




ある意味男子とここまで言い争えるあゆって、カッコイイとまで思ってしまう……。





でも。





「ちょっと、とりあえず落ち着こう、二人とも!!」





私が少し大きな声を出すと、二人は我に返って私の顔を見てきた。





「あ……、ごめん柚。えーっと、勉強会の場所の話だよね?」



「わりい、杉田。また騒いじゃったなぁ。場所なら、俺ん家使えば?」



「「は……!?」」





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