引っ込み思案な恋心。-1st
いきなりさらっとそんなことを言った瀬川くんを、私とあゆは驚きの表情で見た。
すると、私達に見つめられた瀬川くんは、ちょっと照れくさそうに頭をかきながら続けた。
「だからさ、俺ん家4、5人は入れると思うし、ガッコからも近いし、親は共働きだからいないし、問題ないと思うんだけど……。やっぱ男子だからダメ?」
「いや、そうじゃなくて………」
と、私が言えば、あゆも同じことを思っていたらしい。
「うん。そーじゃなくてさ、………ねぇ?」
私とあゆは顔を見合わせて、同時に頷いた。
「「勉強する気になったってこと?」」
やっぱりあゆもそう思ってたんだ!!
お互い同じことを口にして確信した私達は、目を見合わせた。
そして、同時に大笑いを始めた。
「やっばー!!うちら気が合うよね、柚!」
「やっぱりあゆもそう思ってたんだー」
すると、そんな様子を黙って見ていた瀬川くんが、いきなり大きな声を上げた。
「俺だってなー、テストでいい点取ってみたいんだよ!!悪いか!!だいたい何で杉田まで笑ってんだよ!?」
「やっぱり柚も瀬川がバカだって思ってたってことじゃん」
「え?ちょっと違うけど、瀬川くん、勉強しているイメージがわかなくて……」
「一緒の意味じゃねーか!!!」
悪気はなかったんだけど、私がそう言うと瀬川くんは更に発狂していた。
けど、そんな瀬川くんの反応が面白くて、私とあゆはひたすら笑い転げていた。
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