引っ込み思案な恋心。-1st





「おい、杉田。大丈夫か?」





瀬川くんは落ち着いた声で私に話し掛けながら教科書を拾ってくれた。





「う、うん………。大丈夫」



「はい、教科書」





瀬川くんに教科書を渡されて、私はそれを受け取った。






その時………





私の指先と、瀬川くんの指の先が、ほんの一瞬触れ合った。





「…っ!!」





その感触にびっくりして、せっかく瀬川くんに拾ってもらった教科書をまた落としてしまった。






「す、杉田?お前マジ大丈夫か?もしかして、冷房寒い??」



「ううん!!違うの!!」






ヤバイ!!



今の、絶対変に思われた!





どうしよう〜〜






私はとにかく気持ちを落ち着かせるため、前に置いてあった麦茶を飲んだ。





「あっ、それ、俺のなんだけど。…ま、いいや」





麦茶を一口ゴクリと喉に通した瞬間、真横からそんな声が聞こえてきた。








…今、何と言いました………?





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