おしゃべりな百合の花
「とめて!!着いたからとめてって!」
美百合が突然叫び、ろくに道案内もされてないのに、よく辿り着いたと、龍一は驚きながらも慌てて車を停車した。
見ると、警備システムなどなにもない、二階建てのボロアパート。
美百合は何も言わずに車から出て、そのまま一切振り向かず、二階の一番西の部屋へ消えた。
こんなアパートじゃ、危険過ぎる。
底知れない不安が、陳腐な正義感や、人情が原因でないことに、この時の龍一はまだ気付いていなかった。
美百合が突然叫び、ろくに道案内もされてないのに、よく辿り着いたと、龍一は驚きながらも慌てて車を停車した。
見ると、警備システムなどなにもない、二階建てのボロアパート。
美百合は何も言わずに車から出て、そのまま一切振り向かず、二階の一番西の部屋へ消えた。
こんなアパートじゃ、危険過ぎる。
底知れない不安が、陳腐な正義感や、人情が原因でないことに、この時の龍一はまだ気付いていなかった。