おしゃべりな百合の花
「会いたい人がいるんだ。」


 美百合が寝ている間に、龍一はその人物とすでに連絡をとっていた。


「誰?」


 疑いの目を向ける美百合に、苦笑すると、


「バカ、男だ。」


 くしゃっと美百合の頭を右手で掴んだ。


 それでも納得しない美百合に、後ろ髪引かれる思いで背を向け、玄関に向かう。


 部屋を出る直前、龍一は振り返って、


「鍵閉めろよ。」


 と言うと、美百合はコクリと頷いた。


 部屋を出ると、颯爽と階段を駆け下りて車に乗り込み、待ち合わせ場所へ向かって車をハイスピードで走らせた。







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