おしゃべりな百合の花
Thu.
 AM1:08、目的地へ到着。


 とあるマンションの地下駐車場の空いている1コマに、龍一はバックで駐車した。


 約束の時間まであと7分あるのに、密会の相手は待ち兼ねていたように、車の助手席に乗り込んだ。


「すべて計画通りだ。尾藤のやつ、右腕を失って大慌てで俺を頼って来た。」


 助手席の男は、そう言って薄く笑った。


「良かったです。」


 龍一は愛想笑いを浮かべ、彼の言葉にぎこちなく応える。


 彼を目の前にすると、どうも龍一は極度に緊張してしまい、受け答えが上手い具合にいかない。


「で、何だ?聞きたい事って。」


 助手席の男はさっそく要件を尋ねた。


「迫田の娘が、何者かに狙われています。その理由、窪田さん知りませんか?」


 恐る恐る龍一が尋ねると、窪田は怪訝そうな表情を見せ、


「お前がどうしてそれを?」


 逆に質問を返した。


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