おしゃべりな百合の花
 龍一が美百合と共に書斎へ戻ると、手足の自由を取り戻した迫田と、そして…


 窪田が居た。


「慎重に行動しろって言ったろ?女に銃を渡して自分は丸腰になるなんて…お前どうかしてるよ。」


 窪田が苦笑しながら言った。


 どうやら迫田に事の一部始終を聞いたらしい。


「窪田さん、うるさいです。」


 龍一がそっぽを向くと、窪田が何か、龍一に向かって投げた。


 龍一が咄嗟にそれを掴み取り、胸の前でその手を開くと、掌には車のキーが載っていた。


「お前、足もないだろ?」


 窪田の不可解な言葉に、


「いえ、足なら有ります。俺は車でここへ来ました。」


 龍一はきっぱり否定した。

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