letter~母へ~


「んだよ、この次がいいとこだったのにな」


残念そうに健はため息をつく。


それ、僕も思った!!


って言いたかったものの、言えるはずがない。


ついに女の首筋に男がキスマークを付けた。


そんなこんなのワンシーンを僕の頭の中で僕が男で誰か女とセックスしている妄想を無意識にしていた。


「……ねえ、亜沙美の頭おかしいんじゃないの?」


「本当に。中身男なんじゃないの?」


愛莉と沙耶の声が聞こえる。


きっと僕の悪口を言ってるんだ。


「なんか亜沙美のような人の障害あったよね?」


「まえテレビで特集やってたよ。なんだっけ?」


何?障害?


僕はテレビより、壁に耳をあて話を聞いた。


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