letter~母へ~
ボーイッシュ
洗いざらしの汚れたジーンズ、プーマの黒いTシャツ。髪は黒く、ベリーショートで髪に寝癖がついてない日なんてまれだった。
これが僕が家へ帰ってくるときのスタイル。
「ただいまー」
「遅いじゃない!亜沙美!あんた学校で何やってたの!?あーあ、泥まみれじゃない」
母さんがジーンズについた泥を手ではらう。
「ケンカしたの?」
「違う、サッカーやってた」
「あんたね、女の子なんだから男の子のやるようなことはやめなさい。せっかくお母さんが亜沙美のためにリカちゃん人形を買って来てあげたのに全然使ってないじゃない」