カプリッチオ症候群


「何これ、重っ!ゆえも持てよ!」


「やっぱり嫌」


 荷物は重そうな段ボール。
 あたしは剣斗一人に持たせている。



「まじで!頼むから!腕がっ」


 教室の目の前まで来て何を言うか。

「わかったから…貸して」


 あたしは荷物の半分を抱えようと剣斗に近づこうとした時、その間に何故か嶺が立っていた。



「剣斗くん。僕が持つよ」


「あれ?ゆえ……

「南波さんはいいですよ」


 そういうと剣斗の荷物を持って教室に入っていく嶺。

 …急になに。
 もしかして…あたしを心配した…とか?


「あ、ありえないか…」


 荷物を運び終えるとまた女の子達に囲まれている。


 …れい……

 貴方のキモチが分かりません。
 だから、決めました。





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