この青空を君へ。
そしてとうとう金曜日。ミサトのお茶の誘いも断って、夕方から私はあの公園へと向かった。


最近の中で一番念入りにしたメイク、一番新しい服、お気に入りのクローバーのネックレスをつけて。



(なにおしゃれしてるんだろ…)

久しぶりに乙女っぽいことをしてる自分に気付いた私は、公園に行くことに緊張を覚えた。



公園の入り口につき、彼がいたベンチを探す。
まだ彼の姿はなかった。


(もう少し暗くなったらくるのかな…)



先週彼に会ったのも真っ暗な夜だったから、私は彼を待つべく彼が座っていたベンチに座った。



(あの人はここでいつも歌を歌っているのかな…)



目を閉じると、彼が歌っている姿が目に浮かんできた。



目の中にいる彼は、公園のベンチではなくあの先生が描いた夕暮れのなかでギターを弾いていた。


(あれ、なんで彼があの絵の中にいるんだろう…)


そんなことを考えていると、彼が私を呼ぶ声が聞こえた気がした。


「…ねぇ、大丈夫?」


「ねぇお姉さん、こんなとこで寝ちゃダメだよ?」


(寝る…?)


目を開けると、あのギターの彼が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
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