この青空を君へ。
雨の文化祭。
「もう夜は涼しくなってきたね」
気持ち良い風が私たちの頬を撫でる。
元樹と何度も公園で過ごすうちに、夏の暑さも和らぎ秋の色が見えはじめていた。
「秋になると、この公園では綺麗な虫の鳴き声が聞こえるんだよ」
元樹は少しだけ元気のない笑顔を見せていた。
去年の秋は、この公園で誰と虫のなく声を聞いていたのだろうか。本人に聞きたい気持ちもあるけど、聞いてはいけない気がして聞かなかった。
そして今日は、元樹にあの事を話すと決めていたから、いつ話そうか、話していいのかということばかり考えていた。
「ねぇ、元樹…」
しっとりとギターを奏でていた元樹は、その手を止めてこっちを向いた。
「何?なんかあった?」
「あのね、来月うちの大学では文化祭があるんだけど…美術部は毎年、秋のコンクールに出した絵を展示するの。私もコンクールに絵を出すから、良かったら元樹にも見てほしいなって思って。
あ、もちろん暇だったらでいいんだけど!」
「あぁ〜、そうなんだ。」
愛想ない元樹の返事。
私は心におもりが乗ったみたいに重くなって、涼しい夜に嫌な冷や汗を書いてしまった。
気持ち良い風が私たちの頬を撫でる。
元樹と何度も公園で過ごすうちに、夏の暑さも和らぎ秋の色が見えはじめていた。
「秋になると、この公園では綺麗な虫の鳴き声が聞こえるんだよ」
元樹は少しだけ元気のない笑顔を見せていた。
去年の秋は、この公園で誰と虫のなく声を聞いていたのだろうか。本人に聞きたい気持ちもあるけど、聞いてはいけない気がして聞かなかった。
そして今日は、元樹にあの事を話すと決めていたから、いつ話そうか、話していいのかということばかり考えていた。
「ねぇ、元樹…」
しっとりとギターを奏でていた元樹は、その手を止めてこっちを向いた。
「何?なんかあった?」
「あのね、来月うちの大学では文化祭があるんだけど…美術部は毎年、秋のコンクールに出した絵を展示するの。私もコンクールに絵を出すから、良かったら元樹にも見てほしいなって思って。
あ、もちろん暇だったらでいいんだけど!」
「あぁ〜、そうなんだ。」
愛想ない元樹の返事。
私は心におもりが乗ったみたいに重くなって、涼しい夜に嫌な冷や汗を書いてしまった。