あいつの頭の中(仮タイトル)
引っ越し
日当たり良好、駅近、12畳の1LDK、小さな庭付きの一階、築年数は少し古いけど、家賃六万円
スタートは最高だった
「お姉ちゃん本当に一人で生活なんて出来るの?」
ロフトを散々漁った、妹の美穂が声をあげる
「美穂に出来てあたしに出来ない訳ないでしょ」
「美穂は一人暮らしじゃないもーん」
一つ下の美穂は高校卒業と同時に、彼氏と同棲している
「真っ黒同士でお似合いだもんね」
美穂達は今時の派手な格好で、あたしとは正反対の人種だ
皮肉を込めて返事したあたしに、
「地味なヒモノ姉ちゃんには、どんなヒモノ男が似合うのかねー、ねっお母さん?」
と皮肉返ししてくる、いつもあたしより、一歩先に進んでいる妹
成長も性格も、勉強も運動も、いつだってあたしより早くて、簡単にこなせる
性格も正反対だ
言い返せなくなったあたしは、ぷっと頬を膨らませた