あいつの頭の中(仮タイトル)



そういえば朝に管理人が書類を持ってくると言っていた


こんな朝から全くもって、迷惑な話しだ


モタモタと布団から出る間にも、急かすように何度もチャイムが鳴る


「はいはーい、今出ます」


パタパタと玄関に駆け寄り、扉を開けた




━━━━━━?



目の前には、若い男の人が頭を掻きながら、俯き立っている


あれ?管理人さんて、おじさんだった様な…
それにこんな格好だっけ…?


「ねみぃ」


「はあ?」


若い管理人が意味の分からないことを発した


「あ、あの管理人さんですよね?書類は…」


「いいからどけよ」


またも若い管理人は、意味の分からない事を発する


はあ〜と溜め息混じりの欠伸をしながら、部屋に上がってくる


その時、「管理人さんにはいい顔しときなさいよ」という、母の教えを思い出した


「しょ、書類書き足さなきゃいけないんですよね、そうですよね、すみません、部屋まだ掃除してなくて散らかってるんですが…」


客人をもてなした事がないあたしには、この言葉が精一杯だ


「えっと、今お茶を出します……!?」


若い管理人はズカズカと部屋に入ってくると、ベッドに一目散に寝転んだ


ああそうか
管理人はベッドの寝心地を確かめにきたのか
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