あなたが愛しくて...
さてっそろそろ帰るかっ
そう思い立ち上がる。
「おい。」
いきなり声がかけられて、振り向くと翔貴がいた。
「お前...裕也だったよな?」
「おう」
何故翔貴が俺に話しかけてきたのか、意図がわからず怪訝に思いながら返事を返す。
「あいつは...莉子は俺のだから。」
余裕みたいな自信ありげな笑顔を浮かべて俺に言いはなつ翔貴。
さすがにイラっとした。
「莉子に手出したら、ただじゃおかないよ?」
翔貴は言いたい事だけ言って、裕也の横を通りすぎるときに、肩に手を置いて、耳元で呟くとそのまま俺から離れていった。
「お待たせ-!大分酔いも覚めてきたぞっ」
「帰るぞ。」
何も言わずたまり場から離れる。
「おいっどうしたんだよっ!いきなり〜」
望になにも答えずにひたすらその場から遠ざかった。
すごく腹がたっていた。
...あいつを・・・莉子を
手に入れたい。
俺のものにしたい。
そう強く思い始めていた。