あなたが愛しくて...
教室に戻って孝と雄平と階段下へと移動する。
その時、綾の携帯がなる。
携帯のディスプレイをみた綾がにっこり笑って、莉子に携帯を渡す。
宛先が望とかかれているメール画面。
『裕也が莉子ちゃんのアドレスを知りたいらしいから送ってくれない?!』
「いいよねっ!?」
綾が耳元でこそっと話す。
頷いて綾の方を見ると、笑って望への返信メールを作り始めていた。
少しだけ胸を弾ませ、壁にもたれる莉子。
「なぁ莉子。」
「ん?」
雄平が近づいてくる。
隣に並び莉子と同じように壁にもたれ、腕を組む。
「・・・裕也、あいつだけは止めておけよ。」
ビクッとした。
「...なんで?」
平気なフリをして答える。
「女がいる。...3-3の咲ってやつ」
...知っている。中途半端にチャラチャラしている女。私が一番嫌いなタイプ。
「私、その子嫌い。」
「だから止めておけよ。あとで面倒なことになるぞ」