あなたが愛しくて...



追いかけたかったけど、多分綾は一人にさせてほしいって思ってると思うから...今は追いかけない。



「なに...?綾どうしたの?」

望はポカンと綾の消えたドアを眺めている。



「そのままだよ。」



席から立ち上がって綾と自分の鞄を持って帰ろうとした。



「待て。」

裕也に腕を捕まれる。
言うまで離してくれなさそうだった。



「彼女...いるんでしょ?2人とも・・・」



2人に背を向けている莉子は、2人がどんな表情をしているのかわからない。



でもその沈黙が、莉子の問いにたいしての、肯定だとわかるには十分だった。



「...っだったら、思わせぶりな態度とらないでよ...っ私にも綾にも・・・。」



莉子も辛かった。



裕也が莉子の腕を離す。
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