あなたが愛しくて...



ムカつく。ムカつく





頭の中にあるのは、
その言葉だけ。





怒りを抑えたまま
いつもの階段下へと行く。



誰もいない空間...
壁にもたれてすわる。




昨日の今日で、もう
こんなにも不安。




1人がどうしようもなく
不安。





「どうした?莉子」



はっと顔をあげると翔貴がいた。




「なんか...泣きそうだな。」



そう言って隣に座り込む
翔貴。




「そうみえる・・・?」





「俺にはね。」




苦笑して言う翔貴。




「てかさぁ〜俺昨日オールして寝てねぇんだって。」




そう言うといきなり莉子の膝に頭をおいて目を閉じてしまった。





「ち、ちょっとっ!!」




揺さぶっても退かないので諦めて壁に背を預けた。




翔貴の寝顔を見て、
小さく息をつく。





何年ぶりだろう・・・
翔貴の寝顔なんて...





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