あなたが愛しくて...




もう...どうでもよく
なってくる。




なにも信じられない。





翔貴の隣で翔貴の周りの女と同じようになった方が
楽なのかもしれない。




そう思って目を閉じると、鎖骨あたりにあった翔貴の唇が触れなくなった。




「―裕也...」




目を開けると翔貴の肩を
掴んで莉子から引き剥がしている裕也の姿があった。




「人の女に手出すんじゃねぇよ」





明らかに裕也は怒っていた




声を荒げる訳でもなく、低い声をだす。




腕を引っ張られて
引き起こされる。





裕也はそのまま莉子を
引っ張って連れ出した。





莉子の腕を掴む裕也の
手は痛いほど力が入っていて振りほどけない。





「離してよっ!!痛いっ!!」






「・・・」





何を言ってもただ
腕を引っ張って歩くだけの裕也。





しばらく廊下を引きずられるようにあるいていたが





急に裕也がつかんでいた
腕を強く引っ張り
壁に押さえつけられた。






「っ―痛」





「どういうことだよ、あれ」



「・・・別に。」






「別にじゃねぇだろ、お前は俺の女なんだぞ。」




「...うん」






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