ナミダボシ
すると、周りの生徒たちはジロジロとあたしたちを見て、こそこそと話し始める。
…やっぱり鶴女の制服だからかなあ。
なんて呑気に考えていると、先輩らしき男子グループが近づいてきた。
「もしかして、“鶴女”の生徒?」
「へー。結構可愛いじゃん。ねぇ、何年?」
ニヤニヤ笑いながら、あたしたちを囲む。
どうにも言えない威圧感が凄く怖く感じる。
とにかく、何とかこの場から逃げないと…。
「す、すいません。どいて…」
勇気をだして言ったものの、怖さの為か、弱々しい声だった。
「怖がってんじゃん」
「俺のせいじゃないだろ?
大丈夫だって、仲良くしましょーって」
そう言いながら、一人があたしの方へ手を伸ばしてきた。
「……っ」
助けを呼ぼうと、震える体に力を入れたその瞬間。